好きなことを仕事に。嫌なことはやらなくてもよいという風潮

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「やりたい事を仕事にする」「嫌(イヤ)なことはやらなくてよい」。
ここ何年かで、SNSでよく見かけるようになった。
そんなわけないやんけと思ってしまう。
終いには「逃げても良い」というものまでよく見かける。
これは、程度によってはそのとおりだとは思う。

こんなコピーが流行るくらいだから、世間にはストレスを感じている人が多いのだろう。
人生をより良くするという意味では、私も大賛成である。
ただ、字面だけそのまま受け取ってしまう人が多くいそうであることを危惧している。

私はソフトウェア系のエンジニアだが、この界隈でも「フリーランスとして好きな場所で自由に仕事をする」というムーブメントが起きている。
とはいえSNSの中でだけの話で、実際は雇われている方のほうが多数とは思うが。

独立しても、やりたくないことをやらなくてはならない

実際に独立すると、やりたくない仕事や作業が多く発生する。
お客さん先に謝りにいったこともある(私が起こしたトラブルではなかったが)。
やりたい事を仕事にする、好きな事だけやれば良いという言葉のままを受け取ってしまえば、現実と理想のギャップに耐えられなくなり、早々と事業をたたむことになってしまう。

ここ数年、ブラック企業や過労死が問題になった。
そのことへの反発というか、ゆり戻しではないかと考えた。
「社畜」という言葉も流行り、有名なインフルエンサーがオンラインサロンまで立ち上げた(このサロンはトラブルが発生したらしく、すぐに終わったが)。

SNSでは、フリーランスになるノウハウを有料で発信しているアカウントもある。
正直言って、こんなものに入っても得るものはないように思う。
発信者が儲かるだけだ。

フリーランスの基本は下請け

私が独立したときは、知り合いづたいに仕事を貰えたので、運が良かったといえる。
実際には前職から顧客を引き抜いたり(個人的にこのやり方は好きではない)、退職前に顧客をある程度確保しておく人がほとんどだ。
資金調達をしてスタートアップ企業を立ち上げるという人もいるが、絶対数は少なく、ほとんどが初めは下請け企業または個人事業主となる。先のフリーランスもここに含まれる。
他には、時代だなあと思うが、ネットで影響力があれば仕事に困らないのは確かだろう。
私も影響力が欲しい(笑)

スタートアップ企業の代表などは、会社のゴタゴタや株主からのプレッシャーで、ストレスフルな生活になりそうである。
「好きなことを仕事に」のマインドだけでは、やっていけないだろう。
社会を発展させるなど、もっと大きな理想が必要になる。

当たり前なのだが、好きなことだけやってて生きていけるわけではないのである。
これを実現するには、自分以外の人や事象をすべてコントロールできるようになる必要がある。
こんなことができたら、もうSFの世界だ。

嫌いと感じることを減らしていこう

思うに、嫌なことを嫌と感じなくなれば、限りなくこの状態に近づける。
私は今の仕事が好きかと言われれば、正直考え込んでしまう。
自ら積極的にコードを書いたり、デザインをしているかと言われれば、そうでもない。
写真も仕事でやっているが、趣味で撮っているときとはまったく別物である。ストレスがハンパない。
経理なんてもってのほかだ。

写真はまだ楽しいと感じるときもあるが、開発はほとんどが面倒だと感じてしまう。
しかし着手するまでは気乗りしないことも、手を動かし始めると、不思議と面倒だと感じなくなってくる。
経理ですら入力し始めると、どれだけ早く終わるかタイムアタックゲームの感覚でやっている。
集中するとのめり込むタイプだからだと思う。
完成した後の成果物を見ているのもなんとなく楽しい。3日くらいは見てる。
ソースコードがキレイに書けたときや、エラーが出ていたプログラムが動いたときなんかも嬉しい。

このようにして、楽しいツボを増やしたり、つまらない作業もゲーム感覚でやれるようになれれば、多少はマシになってくる。
やりたくないことは発生する。
少しでも嫌なことを減らせるように工夫することで、ストレスも減り、毎日が充実したものになるのではないか。

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